トルコ | カシュとその近郊 | 2001.04.04 - 2001.04.11 |
心身を癒す カシュのバスターミナルからタクシーに乗り、片足の不自由なアンでも快適に過ごせそうな宿を見つけるため、何軒か見て周った。最終的に落ち着いたグリュシェン・ペンションは海辺に面していて、ベランダからは真っ青な地中海と周りの島々を見渡すことが出来るすばらしい環境にあった。ペンションのおばさんは英語がほとんど話せないが、一日に何度もアンの様子を見に来たり、お茶を運んでくれたりと人柄の良さは明快だった。地下には広々とした台所があり、毎日朝食と夕飯を自炊して、ベランダで3人で楽しんだ。40歳後半まで、ニュージーランドから一歩も外に出たことのないアンだが、いったん世界を見てみようと決めた途端に、休むまもなく忙しく世界を股にかけて旅行している。人生経験の豊かな彼女と、いろいろな事をおしゃべりしたり、太陽の日を浴びてきらきらと輝く地中海を眺めたり、日帰り旅行に出かけたりしているうちにあっという間に1週間が経ってしまった。 アンと一緒にカッパドキア方面へ移動しようと計画していたのだが、アンはよく考えて一番養生するのに環境の良いカシュのこのペンションであと2週間程留まることに決めたのだ。最後の日には一緒に町まで行って、1週間分位の食料を買いだめして、何か合っても町まで出る心配をせずに過ごせるようにした。 トルコのサンタクロース 行動派のアンが一日中部屋に閉じこもっているのが辛いことが手にとるように分かる私達は、ある日車を借りてアンと一緒に日帰り旅行に出かけた。ケコバの水中遺跡をボートで見学した後、サンタクロースの伝説の元となった、聖ニコラスを記念して建てられた教会を見に行った。聖ニコラスは4世紀に、貧しくて持参金がなく結婚できない村の女の子の為に、袋に入った現金を家の煙突から落としてあげた。この事からサンタクロースの伝説が生まれたようだ。子供からサンタクロースって本当にいるのと聞かれたら、サンタクロースは実際に存在した人でその精神は今でも引き継がれていると答えることも出来る。 駐車場から教会までびっこを引きずるアンのお供をして歩いていると、近くの喫茶店でお茶を飲んでいた人から声をかけられた。事情を説明してお別れをした後、教会の入り口に来てみると、教会入場料が信じられない位高いことに気がついた。入ろうかそれとも諦めようかと迷っていると、さきほど話し掛けて来たひとがやって来て、実はこの町の市長さんでアンの身に降りかかった災難に申し訳ないと思うので、教会入場料を支払わせてくださいと言ってくれたのだった。おまけにおみやげに教会の土が入ったお守りまでくれた。サンタクロースの教会で、トルコのサンタクロースに出会ってしまったようだ。
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カシュ | |
グリュシェン・ペンションの404号室のすぐ外は地中海。砂浜はないが、ペンションの裏から海に出て泳いだり、釣りが出来る。裏庭ではのんびりと昼寝したり、本を読んだりも出来る。ベランダで朝食を食べたり、夕日を眺めたりするのは至福の時である。 | |
地下には広い台所があり、その外には子猫4匹を育てるお母さん猫がいる。皆つれて帰りたいくらいかわいかった。今まで、ものすごく気に入った宿には不思議な位、必ずかわいくてフレンドリーな猫がいた。 | |
カシュからの日帰り旅行(ケコバ水中遺跡・聖ニコラス(サンタクロース)の教会) |
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ケコバ島には水位が上がったために水中に半分沈んだ遺跡がある。 | |
サンタクロースの伝説の元となった聖ニコラスを奉る教会、聖ニコラス教会はとっても温かい雰囲気で居心地が良いが、入場料の高さには参ってしまう。市長さんが助けてくれなかったら多分中には入らなかったと思う。 | |
サクリケント渓谷 | |
水位の下がる夏には、サンダル等で渓谷を歩くことが出来るが、私たちの行った4月上旬は雨が多くて水位が高く歩くことができなかった。 |
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