トルコ エルズルム・ドーベヤジット 2001.08.12 - 2001.08.16

近いようで遠いイラン

ドーベヤジットはイラン国境近くの町で、アジア方面から陸路でイランを経由してトルコに入ってくる旅行者や、逆にヨーロッパから同じく陸路でイランを経由してアジアへ向かう旅行者が必ず通り過ぎる町である。

旅行雑誌や友人からイランがいかにすばらしいかを見聞きしていたので、世界旅行の計画をしていた時にはイランを訪れる予定でいた。しかし旅行中に集めた情報によると、アメリカ国籍のウェスはイランビザを取るのがほとんど不可能という事が分かった。イスタンブールで6ヶ月待ちとうとうあきらめたアメリカ人や、ネパールから陸路でヨーロッパへ向かっていたアメリカ人がイランビザだけ取れずにパキスタンからトルコヘ飛行機でイラン上空を飛ばなくてはいけなかった話などを聞いた。

しかしイランがどんどん近づいてくるにつれ、最後にもう一度イラン領事館のある東部の町エルズルムでチャレンジしてみようという気持ちになった。エルズルムのイラン領事館の担当者によると、日本人の私は、ビザ代50アメリカドルを払い7日間待てば観光ビザが取得できるが、アメリカ人のウェスはグループで申し込まないとだめだと言われた。

とりあえずイランビザの件はあきらめて、イラン国境近くの町でアララット山が近くにあるドーベヤジットへ向かった。ドーベヤジットでは陸路でアジアから渡って来た日本人バックパッカー5人に出会い、いろいろとおもしろい旅行のエピソードを聞いた。

一番驚いたことは皆口をそろえてイランは嫌いだとか、すごく疲れたといっていた事だ。中にはイラン人の子供に大きな石を投げられた人がいたり、町を歩いていてアジア人蔑視の言葉を投げられる事は日常茶飯事のようだ。もちろん遺跡はすばらしいし、人懐こくて親切なイラン人も大勢いる。しかしアジアを渡ってきた彼らにとって、イランは心身ともに疲れる国ということで意見が一致していた。

トルコの黒海沿岸の町トラブゾンで、インターネットカフェの情報ノートに、「イラン最悪トルコ最高」という書き込みを見て、これはどういう意味だろうかと不思議に思っていたが、今回旅行者の話を聞いて、なんとなくだが分ってきた気がした。

これからアジアへ向かう私達と、これからトルコ西部や中東に向かう日本人バックパッカー達とは貴重な情報交換ができた。しかし、彼らには情報だけでなく、もっと素晴らしい贈り物をもらうことができた。旅行に疲れ始めた私に、またもっと世界を見てみたいと思わせる気力を与えてくれたのだ。名前も聞かずに長々と話に付き合ってくれた皆さん本当にありがとう。


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