シリア アレッポ・ハマ・パルミラ・ダマスカス 2001.04.22 - 2001.04.29

シリアン・ホスピタリティー

シリア人の親切心

トルコではトルコ人の人々が親切なことに新鮮な驚きを覚えたが、シリア人の親切心はトルコ人のそれを上回る。どう違うのかというと、トルコでは「ああ困ったなあ。どうしようか」と困った顔をしてキョロキョロしていると誰かがやってきて救いの手をのべてくれた。ところがシリアでは「こまっ」と思ったところでもうすでに数人の通行人が私達のことを取り囲んで、「どうしたんだ」と助けてくれるのだ。

旅は道ずれ

トルコのカッパドキアからアレッポへ向かう夜行バスで、カナダ人の旅行者ライアンと知り合った。これからの行き先が同じだったので、なんとなくそこから3人の旅が始まった。中東で旅行していると始終警戒心を解かないようにしないと、どこで誰に騙されるか分からない。四六時中人から騙されないよう注意を怠らないようにするのは、正直言って疲れる。一人でいると、もう多少多めにお金を取られたっていいやとなげやりにあったりするし、二人でいてもふとした時に二人ともぼけている時もある。しかし3人集まると、必ず誰かの頭が働いている可能性がぐんと高くなるで、旅が楽になる。

11ヶ月近くも二人で旅行していると、お互いの考えも見通せてきて、時々相手に話しかけてもなんだか自分で独り言を言っている気になったりもする。そんな時に気の合う旅仲間が出来るのは楽しい限りである。ライアンはエジプトまで同じルートを取るのでしばらく楽しい三人旅が続きそうである。

シリアでの私たちの食事情

トルコでは比較的バラエティーに富んだ食生活を送っていたが、シリアに入ってからは、ほとんど毎食ファラフェルサンドイッチと絞りたてオレンジジュースに限られていた。安くて、おいしくて、安心して食べられる食べ物の選択肢が限られているのだ。しかしダマスカスでは、定番のファラフェルサンドイッチと絞りたてオレンジジュースに加えて、ほっぺたの落ちそうなおいしいケーキ屋さんとねばねばして不思議な味のするアイスクリーム屋を他の旅行者から教えてもらい、これらが一日のメニューに追加された。なんとバランスの取れた食生活だろうか。

どこから来たの?

お店の人や通りがかりの人からよく、「どこから来たの?」と声をかけられる。他の国では「どこから来たの」と聞かれたら、「うちの店で何か買わない?」という意味なのだが、シリアでは私達の答えを聞くと、「シリアへようこそ」とにこやかに立ち去る人がほとんどだ。

しかし、中にはアメリカにあまり良くない印象を持っている人もいる。以下はその会話の例である。

お店の人:「どっから来たの?」
正美:「日本」
ライアン:「カナダ」
お店の人:「おお!ようこそ!!」
ウェス:「アメリカ」
お店の人:「ああ。お気の毒に。」

ブラックマーケット

シリアを出国する前日に、残ったシリア通貨を両替するためダマスカスの銀行へ行った。ところが銀行ではシリア通貨を他の通貨に両替してくれないという。近くの両替商でも同じだった。自分の国の通貨を受け付けないとはいったいどういうことだろうか。運良く銀行の職員のひとりが、ブラックマーケットで両替をするお店を教えてくれた。


アレッポ

アレッポのスーク(市場)では生鮮食品からカーペット等までなんでも見つかる。私は念願のアレッポ名物のオリーブ石鹸を見つけることが出来た。噂どうり肌がつるつるになるオリーブ石鹸は私のお気に入りとなる。

40円位でおいしいファラッフェル・サンドが食べられる屋台。付け合せの野菜や唐辛子は食べ放題。面倒見の良いおじさんがこれも食べろと次々に手にもたせてくれる。ある日は一日3食ここで食事をした。

シタデルから眺めたアレッポの町並み。シタデルでは10人くらいの女性グループに呼ばれて、辛いソースがついたピザと胡瓜をごちそうになった。町でオリーブを買ったら丁度食事中で、ファラッフェルやトマトをごちそうになった。みんな心優しいひとばかりだ。

むかーし昔、変わり者のキリスト教徒がここで36年間柱の上に暮らしていました。有名な柱は巡礼者がおみやげに少しずつ持ち去った為、今はほとんど残っていない。柱の周りに建てられたQala'at Samaan教会はアレッポから簡単に日帰りで訪れる事が出来る。

ハマ

昔、川の水を水道橋に運ぶ役目の水車は、今は町のチャームポイントとなっている。ハマの町は、シュバリエ城やローマ遺跡のアパミア等への日帰り旅行のベースとしても便利である。

アパミア・Dead Cities

ローマ遺跡のアパミアは、今は見渡す限りの草原の中に修復された柱が並ぶ。

遺跡の出口までの民家で、昔ながらの釜戸を使ってパンを焼く女性。

Dead Cities には交通の便が悪いのでハマからの日帰りツアーに参加した。しかし結果的にはがっかりするただの廃墟だった。唯一面白い建物はこの写真のお墓。でも中には落書きがいっぱいある。

シュバリエ城

誰に聞いても、今まで見たお城の中で一番すばらしいお城だという評判のシュバリエ城はその評判に偽りはなかった。写真ではその様子がまったく分からないが、おとぎ話に出てくる中世のお城が、完璧な保存状態で現在まで残された感じである。

パルミラ

なんと言ってもシリアで一番の見所は、砂漠の真ん中のオアシスにあるギリシャ・ローマ遺跡のパルミラである。観光客を乗せてらくだが遺跡の前を通っている所。

円形劇場から眺めた、円柱が並ぶ道。

パルミラを一望出来る丘から見た、夕日に輝くパルミラ。

ダマスカス

紀元前5000年頃から定住生活の跡が残るダマスカスは、世界でも一番長く人が住んでいる都市である。この写真は町の中心にあるUmayyadモスク。中庭から見たモザイクの色彩のすばらしさに口を開けて見上げてしまう。

お茶を売り歩くおじさん。

ねばねばとした感触が独特のアイスクリームを作っている男3人組み。お店はいつ言っても地元の人で賑わっている。

散歩していたらサッカーをしている近所の男の子達に誘われて、ライアンとウェスは仲間入りをした。試合の後のチーム写真。

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