スペイン アンダルシア(セビリア・グラナダ) 2001.01.19 - 2001.01.24

アルハンブラ宮殿とアンダルシア

人々のやさしいポルトガルの後は、スペイン南部のアンダルシア地方を通ってモロッコへ向かうことにした。今までのスペイン人の印象はあまりよくなかったのだが、アンダルシアの人々は北の人々と比べて、格段に人当たりが良い。唯一の例外はモロッコへ向かうフェリーの港がある、アルヘシラスの人々だ。運転マナーのあまりよくないスペインの中で、群を抜いて殺人的と感じた。1泊しかしていないのに、何度車に轢かれそうになったことか。赤信号になっても、スピードも落とさずに交差点を駆け抜けていくバイクや一応停車するが歩行者がいなくなると青信号を待たずに発車する車の数があまりにも多く、たまにきちんと停車するバイクや青になるまで待っている車を見ると感心するまでになってしまった。

セビリア(世界一の大聖堂)

あまり大きな期待をせずに来たせいか、セビリアは北の大都市と比べて落ち着いていてとてもきれいな街に思えた。確かに常に下を向いていないと、犬の糞を何度も踏んでしまうことになるが、落書きも少なく大聖堂のある街の中心には道路脇にずらっとオレンジの木がならんでいて、いかにも太陽がさんさんと注ぐアンダルシアという感じを漂わせていた。

セビリアの大聖堂に入場するには、大人800ペセタするが、日曜日には無料になるようだ。大聖堂内のヒラルダ塔からは、セビリアの街が一望できる。大聖堂内は世界一とギネスブックに載っている大きさだけでなく、内装もとても豪華だ

私たちは南バスターミナルに近い、セビリアで一番安いホスタル(安宿)に宿泊したのだが、その後街を歩いていて少し余分にお金がかかっても、バスターミナルから歩いて30分位の旧ユダヤ人街であるサンタクルーズ地区に泊まれば良かったと後悔した。細い道が入り乱れるサンタクルーズ地区は、バスターミナル近辺と比べて断然静かで、タイル細工の壁がきれいな建物がたくさんあり、ほとんどの建物がきれいな中庭付きのようだった。また次回訪れる機会があれば、こちらに是非宿泊したいと思った。

インターネットカフェは多いが、場所によって金額がまったく違うので、前もって比べてから行ったほうが良い。バスターミナル近くの観光案内所で教えてもらった所は一時間1000ペセタだったのに比べて、以下のインターネットカフェは一時間250ペセタで日本語も表示することが出来るうえに、接続速度も全然速い。

INTERNET 住所: 3 Fl, Calle O'Donnell 3
最低金額は250ペセタ。MS-DOSからFTPとフロッピー利用が可能。

グラナダ(アルハンブラ宮殿)

今回のスペイン滞在で一番楽しみにしていたのが、グラナダにあるアルハンブラ宮殿だ。イスラム建築の傑作と言われるアルハンブラ宮殿は、期待を裏切らないすばらしさだった。宮殿内の手の込んだ内装は、どの部屋へ入ってみても「これはすごい」としか言いようがない程、繊細でいながら大胆な作りになっていた。しかし一番感心したのは、宮殿内どこにいても噴水等から流れ出る水の音が絶えず聞こえるくらい、ふんだんに水が使われていることだった。何百年も前のもちろん電気などない時代に、重力と水のプレッシャー等を利用して、ここまで大掛かりな設計が出来た設計者はたいしたものだ。案内所の女性によると、近くのシエラ・ネバダ山脈の雪解け水や川の水が水源となっているそうだが、どうやってこんなに多くの噴水や池を常に水で満たしておけるのかは、説明できないほど複雑な仕組みになっているらしい。

チケットの購入方法だが、観光シーズンに訪れる場合は前もって予約しておいた方が良いようだ。私たちが訪れた1月下旬の朝9時前には、チケット売り場には誰も人が並んでいなかったので、予約料金125ペセタがもったいなかったが、夏には大行列が出来ると聞いている。また、シーズンオフでも団体客がかなり来ているので、チケットの購入は朝早めにしておいた方がいいようだ。アルハンブラ宮殿のチケットオフィスは朝8時半に開く。

アルハンブラ宮殿チケット予約オフィス(午前8時〜午後6時)
Tel: 902-224-460, 海外からの電話番号: +34-91-374-5420
チケットは1000ペセタ、予約手数料は125ペセタ。クレジットカードの番号が必要。英語が通じる。

グラナダ・日本語情報センター

アルハンブラ宮殿から街の中心へ歩く途中に日本語のちらしが目に付いた。そのちらしは、大道さんが主催している日本語情報センターのものだった。フラメンコのチケットの手配から、物凄く安いレストランや銭湯の紹介等をやっているという。ちょっと面白そうなので早速訪れてみた。

センター内はちょっとした個人博物館になっており、また本職のギター販売の為のギターが展示されている。落ち着けるサロンのような雰囲気の上に、座ってお話を聞いているうちに、黒猫のシロと三毛猫のポチがあいさつにやってきて、私達が猫好きだと分かると、私たちの膝の上でお昼寝を始めた。

前菜・メイン・デザート・飲み物付きで650ペセタという信じられない値段の中華料理を紹介してもらい(バルセロナの中華屋で1万ペセタ以上請求されたことを思い出してあらためて悔しくなる)、フラメンコのチケットを手配してもらった(手数料なし)。フラメンコのチケットを購入すると、ギターを片手に5分位のフラメンコ講義をしてくれる。この講義が面白く、その日の夜のフラメンコを見に行くのが待ちきれない思いだった。

センターのサービスには次のようなものがある。

  • 館内は無料開放の個人博物館
  • 格安フラメンコチケット予約
  • スペインギターの夕べ予約
  • 地元密着情報(無料・有料サービス)ーアルハンブラ宮殿の効率的な回り方、いろいろなお店(スペインで一番おいしいパエリヤ・郷土料理:格安バー・カレー等々)の紹介、銭湯の予約、ホテルや安宿の予約(有料)
  • 格安スペインギター日本まで航空便宅配

センターの住所と電話番号は以下の通り。

日本語情報センター(日本スペイン文化交流会 TERTULIA HISPANNO-JAPONESA)
住所:REYES CATOLICOS 14, 3-DCHA, GRANADA SPAIN(レイジェス・カトリコス通り14番3階)
TEL/FAX : 958-227835
開館時間:月〜土 10:00〜13:30 & 17:00〜20:00、日曜祝日休み(開ける事もあり)

 

スペイン在住20年以上の大道正樹さんは、在住者しか得られない面白い情報を旅人に提供してくれる。

グラナダ・フラメンコ

シンガポールの友人がフラメンコを習っていたので、彼女の発表会を見にいったのが私のフラメンコ体験の全てである。素人さん達のフラメンコでもかなり気に入ったのだが、今回本場でのプロのフラメンコを見てみてあまりの迫力に圧倒されてしまった。舞台自体はかなり狭く、舞台の三方を囲む形で客席が出来ている。チケットに含まれている飲み物のサービスを受けた後に、ショーが始まったが、飲み物なんて飲む暇がないほど目が釘付けになってしまった。生のバンドと歌い手の曲に合わせて、7人の女性と一人の男性が交代で手や足でリズムを取る中で、どうしてそんなに怖い顔で踊るのと言いたくなるぐらい、眉間に皺を寄せてものすごい気迫でフラメンコダンサー達は踊りつづける。また、ものすごく複雑なリズムの曲に合わせて、どこから踊り始めるとどうやって分かるのだろうかと不思議になったのだが、数人づつや全員一斉に曲のある節を待って、皆間違えることなくすっくと立って踊りだしていた。とにかくすごい。

今回私たちが見たフラメンコの情報は以下の通り。
場所:Jardines Neptuno (Calle Arabial 通り)。開始時間:午後10:15 ショーの長さはだいたい1時間半位。チケットは飲み物付きで3800ペセタ。予約は上記の日本情報センターでしてもらうか、+34-958-522-533に直接電話する。

インターネットカフェ: FreeMEMory Internet。住所: Calle San Jerónimo, 14。一時間250ペセタ。フロッピーの利用可。FTPクライアントソフトがある。


セビリア

世界最大のセビリアの大聖堂。

大聖堂のすぐ隣りにあるAlcázarezと、お客を待つ馬車。

グラナダ

王宮内のPatio de los Leones(ライオンのパティオ)の中心には絶え間なく水が出つづける噴水がある。噴水から溢れた水は四方向に流れていくが、これはイスラム教の4つの楽園を意味しているそうだ。

王宮内の数箇所にある池には王宮が映り、のんびりと瞑想するにはもってこいの場所である。

王宮内は凝った石細工に覆われている。

私が学生の頃教科書に載っていたグラナダ宮殿の写真は、この噴水の写真だったような覚えがある。これが見たくてここまではるばる来たのだと興奮してしまった。

アルハンブラ宮殿は、グラナダ市内を一望できる丘の上に建っている。北には雪をかぶったシエラ・ネバダ山脈が見える。

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