モロッコ マラケシュ・アトラス山脈トレッキング 2001.01.25 - 2001.01.30

マラケシュの喧騒とアトラスの静寂

カサブランカからマラケシュまでは電車が通っているので、4時間程の快適な旅でたどり着くことが出来た(値段は73DH)。電車自体は古いが、揺れに揺れて本を読むことも難しかったスペインの電車より、よっぽどスムーズで乗り心地が良かったので驚いた。

マラケシュの駅でも相変わらずタクシーの運転手が待ち構えていた。運良くガイドブックにメディナ(旧市街)までのバスの乗り方が書いてあったので、駅前の通りを渡った所にあるバス停から8番のバスに乗ることが出来たが、タクシーの運転手は、もうバスは走ってないとか、バスは一人6DHするからタクシーで行ってもそんなに料金変わらないとか大嘘ついて(本当は一人3DH)、営業にはげんでいた。

タクシーといえば、カサブランカでも駅の前でつかまるとメーターを使わずにふっかけてくる。例えば数年前のガイドブックに駅から市内まで15DH位と書いてある所、運転手は30DHと最初に言ってくる。ちょっと高いなと思いウェスと目を合わせていると、いきなり20DHまで値段が下がる。数年の間に値上がりしたかもしれないから、それ位でいいかと手を打ったが、次の日市街からメーターのタクシーを拾って同じ駅に戻ると、料金は10DHだった。

また、マラケシュのメディナから、バスターミナルまではタクシーで7DHとホテルの人に教えてもらってからタクシーを拾うと、最初のタクシーは10DHと言う。7DHのはずでしょと言っても10DHと言い張るので、次のタクシーを捕まえる。次のタクシーが泊まったとたんに、前の方でピーピー鳴らして注意を引こうとしているが無視する。次のタクシーは20DHとふっかけてくる。ウェスがまた7DHのはずでしょと言うと、今回はハハハと笑って7DHで了解となる。敵は手ごわい。

マラケシュで出会った旅行者は飛行場から1キロ位の所を、80DH取られたそうである。

タクシー攻撃を逃れて無事にメディナに到着すると、今度はホテルの客引き攻撃が待っていた。ガイドブックや他の旅行者から、街でうろうろしている男たちはホテルや両替所等についてきて、後で案内料を請求したり、ホテルから紹介料を貰ったりすると聞いていた。勝手に着いてきた男が紹介料を取るために部屋代が高くなってしまうこともあるそうである。そんな事を聞いていたので、どうしても自力で部屋を探したくて、失礼にならないよう気を付けながら(こういうガイド紛いの男は無視されるのが一番頭に来るそうだ)、あちこちから降って沸いてくるガイドもどきをかわしながら、何ヶ所かホテルを周ってようやく納得できる所に落ち着いた。

バックパックを下ろしてから町を歩くと、客引き攻撃はなくなるのだが、今度はただの通行者からアラブ語やフランス語で「中国人」だの「日本人」だのとうるさい位にコメントされる。町の中心の広場の屋台コーナーでは、地元の人ばかりが食べている屋台と観光客目当ての屋台の2種類があるようだ。食べている人を見ると一目瞭然だが、客引きのしつこさも観光客目当ての方が異様にしつこい。以前出会った日本人旅行者から、ここの観光客目当ての屋台から高い値段を請求されたと話しに聞いていたので、地元の人しか食べていない屋台のみをはしごして食べたら、結局一人10DH(約110円)でお腹いっぱいになってしまった。飲み物は、絞りたてのオレンジジュースの屋台で一杯が2.5DH(約25円)。

喧騒を逃れて

マラケシュの町からは雪をかぶったアトラス山脈が一望できる。ガイドブックに薦められていたホテル・アリでアトラス山脈のトレッキングを情報を仕入れた。私達は登山の冬装備を持っていないので、低地を歩きながら、ベルベル人の村々に宿泊する2泊3日のガイド付きツアーに申し込むことにした。料金はちょっと高めと感じたが(交通費・ガイド兼シェフ・食事・宿泊・食事や毛布を運ぶラバ・ラバ使いの男の子が全て含まれて一人1100DH(約1万千円))、ベルベル人の村に泊まったり、交通の心配や交渉の必要がなく楽しめたので、この地域のトレッキング情報を持っていなかった私たちには充分価値があったと思う。

もちろん、手間は余計にかかるが、自力で全て行うことも可能である。詳しいガイドブックや地図があり、キャンプのフル装備を持ってトレッキングへ挑むカップルに2組出会った。一番難しいのは交通手段の確保である。定期的なバスが走っているわけではないので、乗合タクシーを見つけて人数が一杯になるまで待って、Asniという町まで行き、そこからはImlilという村まで、村人用のトラックが往復している。一回経験して勝手が分かったので、次回アトラス山脈に戻ることがあれば、キャンプのフル装備を持参して、ガイドなしで挑戦してみようと思っている。

インターネットカフェ

マラケシュでは3箇所のインターネットカフェを試したが、きちんとフロッピーが使えてMS-DOSからFTPを使ってホームページのアップロードが出来たのは、そのうち下記の一箇所のみだった。値段は3箇所とも同じ(30分10DH、一時間20DH)。

Atlas Cyber: rue Bani Marine Kissariat Essanabil No 18. Hassan Habibi

また、Atlas Cyberはマラケシュをベースにする登山ガイド協会の会員が経営しており、ライセンスを保有するきちんとしたガイド達ががモロッコでの登山の旅をコーディネイトしてくれるそうである。


マラケシュ

宿の屋上からみたマラケシュの町並み。眺めが良い上に、洗濯物が早く乾くので絶好の場所。屋上にレストランやカフェのあるホテルでは洗濯物を干す所がない。

マラケシュのメディナ(旧市街)の中心にある広場には、大道芸人やミュージシャンが集まり、数多くの屋台が地元の人や観光客向けに食事を売っている。でも、周りで見ていたら、無理やり踊らされた上にお金を取られたカップルもいたので要注意。
ベルベル人の村々をトレッキング

一泊目はガイドと親戚一同が住む、Aroumdの村に宿泊。ガイドの娘がお父さんにお別れをしているところ。

ラバはアトラス山脈に住むベルベル人の生活にとって重要な役割を果たす。村の中はもちろんのこと、峠を越える途中、重い荷物を運ぶラバに何匹も出会った。

モロッコの最高峰トゥブカル山(4167メートル)は冬はアイゼン等の装備が必要なので今回は諦めた。夏は2日あれば登頂出来るそうである。冬のフル装備を担いで登頂に向かうカップルに二組も出会った。

今日の夕飯はモロッコ名物の煮込み料理タジン。料理の名前は三角の蓋をかぶった茶色の土器の名前から来ていて、野菜と肉をいろいろなスパイスで煮込んだ料理。モロッコ風パンをタジンのスープに浸して食べるとこれが絶品。タジンは炭火で煮込まないとおいしい味が出ないそうである。

2日目に泊まった村から30分ほど山を登った所にあるTacheddirt村。

最終日に通り過ぎたIkkiss村。

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