モロッコ フェズ・メクネス(ボリュビリス遺跡) 2001.02.09 - 2001.02.13

モロッコ最後の日々

私たちのモロッコでの最後の日々は、古くからの帝国都市であるフェズとモロッコで一番保存状態のよいローマ遺跡が近くにあるメクネスで過ごすことにした。

フェズのしつこい人々

フェズの見所である細く道が入り組んだメディナ(旧市街)は、ありとあらゆる品物を売る店が両脇に並び、細い道を行き交う人々や荷物を運ぶラバやカートで混雑した様子は活気があふれていて楽しい。しかし、”金持ち”の観光客を店に連れてきて手数料を店からもらおうとする子供達や、メディナを案内してガイド料を稼ごうとする男たちのあまりの数の多さとしつこさに、心身ともに疲れる所でもある。

ガイドの男たちは政府から許可書をもらっている正規のガイドと無免許のにせガイドがいる。両方ともメディナの道は複雑すぎて慣れない観光客が入り込むと迷子になってしまうからガイドを雇えと言うが、ロンリープラネットに載っている地図だけで迷子にならずに歩き回ることができる。「製革工場はそっちじゃないよ。こっちこっち。」と嘘をいって土産物屋に連れ込もうとする子供たちさえ無視すれば、ガイドを雇う必要はまったくない。

フェズの悪評は他の旅行者からいろいろと聞かされていた。例えば親しく話しかけてきていろいろと親切にしてもらった後、連れて行かれたカーペット屋で何も買わなかったら好意でやってくれたと思ったことに法外な料金を請求されたとか、カフェで出会ったばかりのモロッコ人とお茶を飲んでいたら、ツーリストポリスと称する人が来て賄賂を払わなければガイド免許のないそのモロッコ人を逮捕すると脅されてむりやりお金をとられたなど(フェズ等の観光地ではガイド免許のないモロッコ人が観光客といると罰せられる)。私たちは運良く高いガイドを雇うことなく、まただまされることもなかったが、フェズの人々の私たちを人間ではなく歩く財布としてしか扱わない態度につくづく嫌気がさし、もう2度とこの町には訪れるものかと誓ったのである。

モロッコ全体の印象はとても良く、また2回目に訪れたいと心から思える数少ない国のひとつとなった。心の豊かな暖かい人々にもたくさん出会うことが出来て、かけがえのない思い出を作ることが出来た。しかし、2度目に訪れるときは、フェズのような都市は避けてのんびりとした田舎だけを選んで来ようと思う。


フェズ

Bab Bou Jeloud門はメディナ(旧市街)への入り口のひとつ。安宿の多くがこの門付近に集まっている。

メディナでふと通りかかった靴修理のおじいさんにくたびれてきた登山靴を直してもらった。

製革工場はメディナの見所のひとつだが、ここにたどり着くまでに何十人ものにせガイドや子供達に行く手をふさがれる。製革工場の様子は土産物屋のテラスから眺めることになる。

色付けの終わった皮革は屋根の上で乾燥される。
メクネス(ボリュビリス遺跡)

ここの遺跡の一番の見所は保存状態の良いモザイクの数々。このモザイクではいろいろな動物が描かれている。

オルフェウスの家のいるかのモザイク。

遺跡の住人は今ではコウノトリのみ。

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