モロッコ カサブランカ 2001.01.24 - 2001.01.25

アフリカ大陸へ

モロッコへ行った経験のある人々とロンリープラネット社のガイドブックは、口を合わせたように、モロッコ人の客引きやガイドのしつこさを力説していた。特にスペインからのフェリーがたどり着くタンジェの街の客引きやガイドは、モロッコの中でも群を抜いてたちが悪いそうだ。タンジェでの経験でモロッコの印象が悪くなりそうだと懸念していると、スペインのグラナダのバスターミナルで、スペインからモロッコの主要都市まで、乗り換えなしで直接行くバス会社があることを発見した。グラナダからもそのバスに乗ることが可能だが、時間が不便なので、ローカルバスでアルヘシラスまで行き、一泊してアルヘシラスから合流することにした。Linebus社のバスの時刻表はここをクリック。

最初の失敗

ロンリープラネットのモロッコ版ガイドブックは、かなり詳しくモロッコのしきたりやマナーを説明している。二人とも熟読して、もうこれでバッチリと思っていた。スペインのアルヘシラス港からモロッコのタンジェ行きのフェリーに乗り、タンジェに着いてからバルセロナやバレンシアからはるばるバスで来ている他の客(ほとんど全員がモロッコ人)と合流してバスに乗った。バスはかなり空いていたので、ウェスとは別々に座り、靴を脱いだままいつの間にか寝てしまった。しばらくしたら、急にウェスに起こされて、「正美。なんだか靴を履いていないといけないみたいだよ」と言われた。半分ボケた頭のまま、足先を靴につっこみ、また眠りに入ろうとすると、ウェスから「ほら、きちんと靴はいて」とまた注意された。

途中バスの休憩で立ち寄った屋外レストランでウェスが詳しく状況を説明してくれた。私が寝ているうちに、靴下の足が通路側に少し出ているのをバスの運転手が見つけ、何か大声でお客に話していた。そのうち私の席の前の男性と、後ろの席の男性が私の足を見て大騒ぎを始めた。ウェスがもしかしたら靴を脱いでいるのがいけないのかなと思い、自分も脱いでいた靴を履く仕草をして「こうすればいいの?」とジェスチャーで確認した後、私を起こして注意したそうだ。

その後何人かのモロッコ人に確認してみたが、何故か意見が分かれている。一人の男性は、電車の中は靴を脱いでもかまわないが、バスだけは密閉された空間なので靴を脱いではいけないというし、ある女性は「そんなのどこで靴を脱いでもかまわないわよ。私だって長距離バスなら絶対靴脱ぐし。」とも言っていた。もしかしたら、自分の足の臭い人達は他の人が靴を脱ぐのをいやがるのかな?

モロッコの第一印象

バスでの失敗はさておき、モロッコの第一印象はかなり良い。カサブランカ行きのバスの休憩時には、勝手の分からない私達に気を使って話し掛けてくれる人が何人もいた。モロッコ出国の航空券を購入した旅行会社のお兄さんは、仕事が終わった後近くのカフェでお茶をごちそうしてくれて、モロッコ国内旅行のアドバイスをいろいろもらうことが出来た。同じ旅行会社で知り合った、一人旅をしているアメリカ人女性は2ヶ月間モロッコを旅行しているが、どこへいってもすばらしい人々に巡り会い、お友達を何人も作り、家にまで招待されるようなすばらしい経験をしたそうだ。

ガイドブックや他の旅行者によるとカサブランカは見所もなく、あまり面白くないという。地元の旅行会社のお兄さんでさえ、早くカサブランカを出て、他の場所へ行くよう薦めるのであった。モロッコの次に行く、ナイロビへの航空券を確保する為だけに立ち寄ったカサブランカだったが、モスクのツアー(次の章に詳しく説明)も面白かったし、いろいろな人との出会いも多くとても充実した時間を過ごすことが出来た。

ハッサン2世モスク

カサブランカにあるハッサン2世モスクは、モロッコ国内でも珍しく(全国で2ヶ所のみ)非イスラム教徒にもモスク内を開放している。約1時間のツアーでは、モスク内の説明だけでなく、イスラム教の習慣や、お祈り前の清めの儀式、お祈りの時間、モスクの役割、モロッコの銭湯の入り方等の丁寧な説明があり、とても勉強になるツアーはアラブ語・英語・フランス語・スペイン語があるが、それぞれの開始時間はどれだけの参加者がいるかにより決定するようなので、早めに行って時間を確認した方が良いようだ。私達は9時に行った所、二人ではツアーは出来ないので10時に来てねと言われた。入場料は100DH(約1100円)、学生50DH。


カサブランカ(ハッサン2世モスク)

雨の中のモスクの外観。6千人の職人が5年間シフト制で昼夜働き、1993年にハッサン2世の60歳の誕生日に合わせて完成させることが出来た。中心のタワーは世界一の高さ。

モスク内の天井の一部。モスクに使われた材料はモロッコ各地から集められた。また、色づけはモロッコ内の天然の材料が使われている。

モスク内天井の石細工。木工細工と同じように、すばらしく繊細な作りになっている。どこを見てもすばらしい職人芸に圧倒される。

戻る2001年旅行記目次モロッコの地図ホーム

  Copyright © 2000-2002   Wes and Masami Heiser.   All rights reserved.