キルギス共和国 | カラコルとその周辺 | 2002.08.10 - 08.27 |
アルティン・アラシャン
アルティン・アラシャン渓谷は、カラコル近辺にある5つの渓谷の中でも一番人気のある渓谷である。標高3000メートルにあるアルティン・アラシャンには、日本のものに近い温泉がある。カラコルから東に10キロの所にある、アクスという町までバスで行き、そこからアラシャン川沿いに14キロ歩く(運が良ければ一人2ドル位で、通りがかりのジープに乗せてもらえる)と、温泉宿が4軒ほどあるアルティン・アラシャンにたどり着く。この写真はアルティン・アラシャンから4260メートルの万年雪をかぶったパラータ山方面を撮ったものだ。私達は道路から川を渡った所にある、写真右手のキルギス人家族の小屋に一人100ソム(約2USドル)で泊まった。彼らは家族専用の温泉小屋を持っており、一人20ソム(約40セント)で窓からすばらしい山の景色を眺めながら、岩風呂の温泉を楽しめる。ただし、石鹸やシャンプーは使用できない。私達は自分で食料を持っていったので、外の台所を使わせてもらい自炊した。この家では多分食事の用意はしてくれないと思うが、他の宿では、一食2ドル(町から2番目に近い宿)から5ドル(一番町から近い宿)で食事を作ってくれる。公共の温泉小屋は一人50ソム(約1USドル)である。 標高が高いため、8月でも夜はかなり冷え込み、長袖と寝袋が必要であった。温泉を浴びるにはちょうど良い温度である。アルティン・アラシャンに住む人々は夏場6月から9月のみ山にやって来て、それ以外の時期はカラコル等の町へ戻るそうである。なので宿泊は6月から9月しか出来ない。
アルティン・アラシャンからは登山のオプションがたくさんある。きついがすばらしい眺めが見られる、氷河湖であるアラクル湖を見下ろす峠まで1300メートル日帰りで登るコースや、1泊キャンプをして凍える冷たさの川を何度か渡り、氷河まで歩くコースなどがある。私達がアルティン・アラシャンへ訪れたときは天気が悪く、残念ながら遠くへ行くトレッキングを果たす前に食料がなくなり、近くの山を半日登っただけで、カラコルの町へ戻った。数日後嘘のように天気が良くなり、今度はカラコル渓谷からアラクル湖へ行き、そこから峠を越えてアルティン・アラシャンへ下りるトレッキングをした。
これがアルティン・アラシャンの温泉。きついトレッキングの後の温泉ほど気持ちよいものはない。小屋は中から鍵をかけられるので、家族風呂のように使える。ただし、石鹸とシャンプーは使えない。
アルティン・アラシャンへの行き方
オプション1:カラコルのメインバザールから(要確認)アルティン・アラシャン分岐点を通過し、近くのサナトリウムまで向かうミニバスがある(ひとり10ソム・行き先表示はアクス-AKU-CYYとなっていると思う)。アルティン・アラシャン分岐点では、ロシア語の小さな標識があり、右の砂利道を行く。歩いていれば運がよければ通りがかりのジープに一人100ソムで乗せてもらえる。アルティン・アラシャンまで歩けば、約5〜7時間。
オプション2:カラコルの町中のバスターミナル(One thoughsand and one night cafe 前)からアクス(AKU-CYY)行きのバスに乗り(ひとり5ソム)、終点からアルティン・アラシャン分岐点まで約4キロ舗装された道沿いに歩く(又はヒッチハイク)。アルティン・アラシャン分岐点で右の砂利道を行く。歩いていれば運がよければ通りがかりのジープに一人100ソムで乗せてもらえる。アルティン・アラシャンまで歩けば、約5〜7時間。
オプション3:この方法は高くつくので、時間がないか、絶対歩きたくないという人にしかお勧めできない。ヤク・トゥル・ホステルでは、ジープの送迎と一泊3食付で一人25ドルのパッケージツアーがある。
ジェティ・オグズ渓谷
カラコルから25km西にあるのがジェティ・オグズ渓谷だ。渓谷の入り口には、独特の赤い巨大な砂岩があり、地元では一箇所では女性の心臓が裂けた形をしていて、もう一箇所では7頭の牛が並んでいる形をしているといわれている。これらの奇石群の近くに古いソ連時代のサナトリアム(温泉保養所)があるが、試したわけではないが自然の中で入るアルティン・アラシャンの温泉小屋とはまったく様子が違い、病気療養に来るような雰囲気である。入り口から渓谷を6キロ登った所で、ある日ユネスコとNovinomadの主催でフードフェスティバルが開かれた。カラコルにいた観光客は全員招かれ、ただで地元6種類の民族料理(キルギス・ウイグル・ウズベク・・ドゥンガン・ロシア・タタール)を堪能し、最後にどの料理が一番おいしかったかを投票した。それぞれの民族を代表する6家族が腕によりをかけて作った料理は、見た目にも美しく、そして味は一つだけ選ぶのが難しい程どれもおいしかった。
ジェティ・オグズ渓谷への行き方
カラコルからジェティ・オグズ渓谷行きのバスが一日に2回出ている。私達はタクシーで行き、渓谷の入り口で4時間待ってもらって一日500ソム(US$11)だった。しかし歩いてみて分かったのだが、この渓谷沿いの道はアルティン・アラシャンの道とは違い比較的平らで道が良いので、普通のタクシーでもかなりの距離を行く事が出来る。
ジェディー・オグズ渓谷で開かれたフードフェスティバルでは、この地域に住む6つの民族を代表する6家族が腕によりをかけて自慢の民族料理を作り、観光客が審査員となった。それぞれ独特の味付け飾り付けでどの料理もすばらしく、審査員としての私達の仕事はかなり難しかった。この写真はタタール人の料理。 | |
ジェディー・オグズ渓谷で開かれたフードフェスティバルの開会式で歌う、素晴らしい声の持ち主は、すてきなキルギス女性。 | |
ジェディー・オグズ渓谷で養蜂家から蜂蜜を買うのは、簡単ではない。キルギス共和国での経験は似たような事が多いが、蜂蜜ワインで酔っ払った養蜂家が、ペットボトルに1キロ分の蜂蜜を入れている間に、まず自家製の蜂蜜ワインを勧められ、スイカを一切れづつ渡されて、いろいろな質問をされた。そして最後に家族全員で記念撮影。 | |
キルギスのヨルタはあちこちで見かける。この道路脇のヨルタでは、通りがかりの人々に飲み物やスナックを売っている。 |
途中でロシア人の若者が分かりづらい分かれ道の場所を教えてくれたので、第一日目のキャンプ地までは問題なく到着する事が出来た。景色も素晴らしくここままでは楽勝で目的地のアツティン・アラシャンに2日後に到着するだろうと思ったのはまだ早かった。翌日にはすでにつらくて長い回り道が待っているのであった。 | |
第一夜のキャンプ地となった小さい湖は、貴重な水源でもあった。 |
石を重ねた登山路の目印を追って足場の悪い岩場を5時間かけて登ったら、3600メートル地点で行き止まりだという事に気がついた。この写真2枚は道を間違えた事を気付く前の私達。往復8時間かけて昨晩からまったく進歩がなく、しかも一日の重労働で二人ともばてばて。来た道を戻ろうかという考えも浮かんだが、翌日がんばってアタ・クル湖へ向かい、峠を越えてアラシャン・バレーへ到着した。 |
アタ・クル湖は氷河の水が溜まって出来る湖で、その色は幻想的である。ピクニックやキャンプ地として最適。奥に見えるのが氷河。 |
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