ヨルダン アンマン・死海・ぺトラ・ワディラム 2001.04.29 - 2001.05.05

嘘つきとすばらしい景色

うそつきヨルダン人

アフリカや中東では、観光客からお金を巻き上げる為に数々の嘘を並べる人々によく出会う。生活がかかっているのでしかたがないと気を静めるしかないのだが、ヨルダンに入ってから嘘をつく人の割合があまりにも多くて辟易した。他の国々では、ひどい人よりもすばらしい人々に会う回数がぐんと高いので、最終的にはその国の印象が良いまま国を去る。しかしヨルダンは別だった。1週間の滞在期間中毎日のように明らかに嘘と分かる嘘をつかれた。では、どういう嘘をつかれるか参考のためにいくつか紹介する。

その1:アンマンのタクシー運転手。ペトラへ行くためにあるバス停へ向かう日、夜中からの大雨でアンマンの町が洪水となった。しかたなくタクシーでバス停に向かうことにした。バス停に着き支払うときに、ウェスは間違えてメーターの10倍の金額を支払ってしまった。タクシーがちょうど走り去る時にウェスは間違えに気が付いて、タクシーを止めて差額を払い戻すように頼んだ。しかし、タクシーの運転手はメーターの金額分しか貰ってないと言い張る。最終的には、周りの人の協力も得てお金を取り戻すことが出来た。

その2:ペトラのホテルマネージャー。ホテルのワディラム砂漠ツアーを売る為に、まずライアンに私が行きたいと言っていたと嘘をついた。次にワディラム砂漠行きのバスは朝の6時半と行ったが、ロンリープラネットのガイドブックにはワディラム砂漠行きのバスは朝の6時発と書いてあったので、私達は信じずに翌日の朝5時50分にバス停に向かった。案の定バスは6時5分過ぎにやって来たが、バスを待っている間にはホテルのマネージャーが眠い目をこすりながらバス停まで歩いてきて、バスはホテルの前に停まるからホテルで待てばよいとまた嘘をついた。私たちがワディラム砂漠行きのバスに乗り遅れれば彼のホテルのツアーのバスを高く売れるという魂胆が見え見えだ。

その3:ワディラム砂漠の村人全員?前日別々のバスの運転手と助手に翌日のアカバ行きのバス時刻を確認した(午前7時半、午前9時半、正午)。翌日の朝ホテルの人に時刻をまた確認すると、私は答えられないからツーリストポリスに聞けという。なんだか変だなあと思いつつ、ツーリストポリスへ行くと彼らは午前9時半のバスはなく、次のバスは午後1時まで来ないから、この人のタクシーに乗れとタクシーの運転手を指差した。なんだか怪しいと思い、午前9時10分位にバスが停まるはずの道で待っていると、案の定タクシーの運転手がしつこい勧誘を始めた。彼の手口はまず次のバスは午後1時までないから、午後1時半までない、最終的には今日は祭日だからもうバスはないにまで変わった。次の30分の間に、3台のバスが私達の前を通り過ぎ、先にある村の中心地へ向かっていった。あの3台のうち少なくとも1台が私達の乗るバスであろうと待っていたら、突然タクシーの運転手が自分のタクシーでバスが向かった村の中心へ立ち去った。彼が戻ってくるとその後やってきたバスは一台も私達の為に停まろうともしなかった。どう考えても彼がバスの運転手に話をつけて、バス停で私達を乗せないように頼んだとしか考えられない。どうしてもこの日の内にヨルダンを出てエジプトに入国したかった私たちに残された道は一つだけ。悔し涙を飲み彼のタクシーでエジプト行きのフェリーが発つアカバの町まで向かったのだった。

その4:アンマン近郊の警察官。バス停を探す為に1時間位町を歩き回った時、一人の警官に道を聞いた。年配の警官は死海行きのバスもペトラ行きのバスもこの近くからは出ないと言い張る。一緒にいた若い警官4・5人がいやあそんなことはないあそこからいくでしょうと言うようなことをアラブ語で言っていたようだったが、年配の警官は私たちに正しい情報をあげないことが任務と判断したようだ。

その5:死海のレストハウス入り口の従業員。死海発アンマン行きの最終バスは午後4時半から5時の間と確認しておいたので、念のために午後4時位にレストハウス前のバス停に行くと、レストハウス前にいた男たちがアンマン行きのバスは10分前に出たばかりだから、次のバスは後3時間来ないという。ちょうど良くこの人がミニバンを持っているから途中の町まで行けばよいという。もちろん信じずにバスを待っていると、案の定午後5時にバスはやって来た。

その6:ペトラ行きのミニバス従業員。前日にペトラ行きのミニバスの始発は午前7時でその後一時間毎に1台バスが出ると言われた。念のために6時半にはバス停に来ているようにという指示通りバス停に行くと、ミニバスは乗客が一杯になるまで出発せず、最終的には3時間後の9時半にようやくペトラに向かった。

ヨルダンで唯一出会った、心から親切な人は、アンマンのバスマンホテルのマネージャーのナッサーである。具合の悪い私の為に、ハーブティーを特別に作ってくれたり、メンソレータムのような塗り薬を顔に塗ってくれたりと、かいがいしく面倒を見てくれた。しかし彼はエジプト人である。

しかし、死海・ぺトラ・ワディラム(砂漠地域)と見所の多いヨルダンは、毎日のようにいやな経験をしてでも訪れる価値のある国である。


ジェラシュ

ローマ遺跡のジェラシュにはアンマンから日帰りで行ける。シリアの安宿にある情報ノートによるとある旅行者は「パルミラより良かった」といい、別の旅行者は「ピラミッドより良かった」と言う。しかし高い入場料にもかかわらず私達はあまり満足できなかった。パルミラやピラミッドの方が絶対良いと思う。

死海

体調があまり良くなかったので死海に入るのをどうしようかと迷っていたが、観光客がみんなとても楽しそうにぷかぷかと浮いているのを見て、我慢できずに入ってみた。標高マイナス340メートルの死海は、世界で一番標高が低い地点でもある。水分に含まれる塩分が多いため、写真のように両手両足をあげても体が浮いている。

ペトラ

ぺトラの入り口からしばらく歩くと、狭い峡谷の間からTreasuryが見える。

Treasury はぺトラの中でも一番保存状態がすばらしい。インディージョーンズ三作目の映画に出てきたことでも有名。

下の二つの写真は、砂岩の表面を近くから見たところ。場所により微妙に色や模様が変わってまるで抽象画のようだ。

遠くからみると、遺跡の規模の大きさがよく分かる。それぞれのお墓の入り口の大きさが約2メートル位だ。このような遺跡が広大な敷地のあちこちに散らばっている。

ちかくのベドウィン村から物を売りにきている女の子。昔ぺトラはベドウィンの住家だったのが、1812年にスイス人探検家に発見されてから村人の運命は大きく変わった。先祖代々住んできたぺトラから政府によって追い出されたベドウィンは、近くに指定された村に今は住んでいる。

ワディラム

ワディラムに到着するとベドウィンツアーのしつこい勧誘が続く。私達は自分たちで歩き回ることにしたので、ツアーがいかに観光客向けに創作されているかを垣間見ることが出来た。お昼に食べたオレンジの皮をらくだにあげているウェス。

村から砂漠をひたすら歩いて1時間くらいの所に岩の峡谷がある。なかには水がたくさんあり、歩いてとおることは出来なかった。壁にはうそっぽい壁画がある。本物には見えなかったけど、ツアーの人々が次々に車でやってきてガイドがひとつひとつ説明していた。

ワディラムの砂漠はオレンジ色に輝いている。

夕日を見るために集まった観光客。他の観光客と一緒に夕日を見る為、車を数時間借りた。

戻る2001年旅行記目次中東の地図ホーム

  Copyright © 2000-2002   Wes and Masami Heiser.   All rights reserved.