イタリア | ドロミテ山塊・カラルゾ | 2001.06.23 - 2001.06.29 |
ドロミテ登山 ドロミテはイタリア東北部オーストリア国境近くのアルプスに位置している。ドロミテの特徴はドロマイト岩と呼ばれる岩で、地質時代に暖かい海底だった土壌が、アルプスが形成された時期に海抜2000メートルから3000メートルまで上昇した。そして氷河時代には氷河と通常の侵食により珊瑚礁と岩が徐々に削られて今見られるような独特の空に向けて切り立ったように並ぶ岩々が造られた。 ドロミテ地域にきて驚いたことがいくつかある。一つはハイキングをしていたときの景色の美しさだ。ドロミテはアルプスの中でも特にユニークだと聞いてやって来たが、実は景色がこんなにきれいだとは予期していなかった。そして難しい登山道の存在にも驚いた。登山用の地図をよく見てコース選びをしないと、突然ロープ等の装備を備えていないと歩けない部分が前にそびえたつ。ロープ等は必要なくても高所恐怖症の私はひざが震えてしまうような部分もあった。ロッククライマーにとっては楽園であろう。私達のような一般登山客は見ているだけで怖くなるような岩場がたくさんある。ドロミテを歩いていてあまりの自然の偉大さに恐れをなし、自分がなんて小さな存在なのだろうかとつくづくと思い知らされた。 とはいっても、初心者でも楽しめる簡単な山道もたくさんある。4輪駆動の車が通れる道もあり、山小屋の多くはこういう山道沿いに建っていて、ホテル並みの設備が整っている。暖かいシャワーはもちろんのこと、レストランもあり、食料を運んだりする必要がまったくない。少ない荷物で山小屋から山小屋を何日間もかけて渡り歩くことも可能だ。こういう設備の整った山小屋は冬にはスキーロッジとして多くの人に楽しまれているそうだ。 そしてもうひとつのうれしい驚きは、こんな山の近くまで来て日本語を話せるイタリア女性が経営するB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)に偶然めぐり合ったことだ。彼女のB&Bがある町カラルゾ(Calalzo)はベネチアから電車で約2時間北に行ったところにあり、ここからドロミテ各地へ行くバスが発着するところでもあり、登山のベースとしてはうってつけの町でもある。しかしこの町は私たちが使っている分厚いロンリープラネット社のイタリアの本にも、他の旅行者に見せてもらった地球の歩き方にも載っていない。多くの旅行者はこの町を素通りして、ここからバスで約1時間のコルティナ・ダンペッツォという、以前冬季オリンピックが開催された有名なリゾート地へ向かってしまうからだろう。しかしこのコルティナ・ダンペッツォという町はお金持ちがリゾートに来る所としても有名な為、バックパッカーが泊まれるような安宿がない。私達はすでに予約が入れられないほど混んでいたコルティナ・ダンペッツォの代わりの場所を探すために、この地域の観光案内所に電話してバスのスケジュールを聞いているときに偶然知ったのがカラルゾの町だ。そしてカラルゾの町の観光案内所(tel: 0435 32348)に電話して教えてもらった安宿のひとつがリサさんの経営するB&Bだった。 リサさんは東京に5年間住んでいたことがあり、日本語がとても上手だ。日本に行った時にはまったく日本語が話せなかったのに、努力して日本の調理師学校へ通ったこともあるがんばりやさんだ。とても気さくで陽気なリサさんとは仲良しになり、私達がモロッコ料理を作ってあげたり、一緒に和食を作ったりして本当に楽しいひと時を過ごした。ドロミテの美しさとリサさんの人柄に惹かれて、ベネチアのあとの予定を変更してまたドロミテに戻ることにした。 リサさん(Lisa
Peruzo)のB&B
住所:Via Carducci 56。建物の3階。駅から徒歩10分。駅にある観光案内所(水曜日はお休み)で地図をもらって行き方を教えてもらうと良い。 登山の為の情報
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ドロミテ山塊登山 | |
Lagazuoi Granの近くで休憩をとるウェスと私。 | |
群れを見守るIbexの親分。周りには喧嘩をしたり、のどかに草を食べるIbexがたくさんいた。 | |
2泊目のセネス小屋はホテル並みの設備が整っていてしかも見渡す限りのすばらしい景色の中にある。 | |
午後はセネス小屋のベランダで本を読んだり、日記をつけたりして過ごし、最後はこの夕日に輝きみるみる姿を変える山々を眺めた。なんて贅沢な時間の過ごし方だろうか。 | |
カラルゾのB&Bの経営者リサさんは、日本に5年間住んだ事があり日本語が上手。一緒にご飯を作って食べたりしてとても楽しく時間を過ごした。 |
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