ハンガリー | ブダペスト | 2000.9.17 - 2000.9.21 |
糞と温泉 ウィーンから電車で3時間ほどでブダペストには着いてしまう。しかし、この3時間の旅の後、電車から一歩でると、タイムマシンに乗って数十年前に来てしまった印象を受ける。旧式の路面電車や地下鉄、汚れで灰色がかった建物、そして修理が必要な古い像などは、汚れるままに放置されている。道路には犬の糞があまりにも多く落ちており、踏まないようにするため、ずっと下を向いて歩かなくてはいけない。空気は排気ガスで汚れており、私は頭痛と肩こりに悩まされた。 しかし、長い歴史を持つブダペストには、歴史的に重要な建物等が街じゅうにちらばっており、見るものには事欠かない。国会議事堂やキャッスルヒル地域は美しい建物に恵まれている。眼下に広がる犬の糞さえ気にならなければ、きれいな所はふんだんにある。 また、ブダペストには温泉が豊富にある。スイスで温泉を試した時には、まるで温水プールのようでがっかりしたが、ブダペストの温泉は、きちんと温泉の匂いがした。ブダペストでは、頭痛と肩こりに悩まされたので、マッサージで有名と言われる温泉に、ある日の午後行ってみたが、あまりにも混んでいて諦め(予約はとらずに先着順で受ける)、次の日の朝6時半くらいに、別の温泉に挑戦してみた。 ここの温泉はあまり観光客が訪れないのか、値段表はハンガリー語のみだったが、観光案内所でもらった英語の温泉案内を指し、入浴料とマッサージの料金を支払った。中に入ると、係員の人達があちこちにいて、私達の券をみて、広い温泉内のどこにいけばよいのかを教えてくれた。 朝早いせいか、お客さんは近所に住む、ご老人が多かったように思う。中には、朝温泉で一汗かいてから、出勤する人々もいた。いくつか浴槽(プールに近いが)があり、それぞれお湯の温度が違う。私達がここを選んだ理由は、温度が一番高い温泉があるからだったが、一番高い温度の温泉でも、日本の温泉よりはぬるめだった。 盲目のマッサージ師の人から受けたマッサージは、ちょっと痛かったが、気持ち良く、温泉とマッサージの効用で、頭痛と肩こりがきれいになくなった。 12年前にヨーロッパ旅行をした時に、ブダペストに立ち寄った事がある。その時もウィーンから電車で訪れたのだが、電車を降りた途端に、ブラックマーケットのレートで外国通貨を買おうとする人々や、宿の斡旋をするしつこい人々10人くらいが次々寄ってきて、圧倒された記憶がある。しかし、今回はブラックマーケットのおじさんは一人もいず、宿の斡旋の人々もあっさりとしていて、その時はブダペストは12年の間に随分変わったのだなと思ったのだが、街に入るとあまり変わってないようだ。 正直言って、4泊した後ウィーンに向かう電車に乗った時は、内心嬉しかった。ウィーンに着いて、あまりの空気のきれいなことに驚き、凝っていた肩が少し軽くなった気がした。ブダペストは、若い時に経験するのが一番だ。
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ブダペスト | |
国会議事堂。私達が宿泊した個人宅は、ここから徒歩2分位のすばらしいロケーションだが、あまりの汚さにシャワーを浴びてもあまりきれいになった気がしなかった。 | |
オペラ座内。ウィーンのオペラに続き、またブダペストでもオペラに挑戦。外観はウィーンのオペラ座の方がきれいに見えたが、中身はブダペストの方が豪華絢爛だった。席の値段はブダペストの方が、嘘みたいに安く、とても良い席でオペラを楽しむことができた。 | |
ブダ側のキャッスルヒルの丘の上にある、Fisherman's Bastionからは、対岸のペストの町並みが見渡せる。 |
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