エジプト | シワオアシス・アレキサンドリア | 2001.05.24 - 2001.05.30 |
オアシス リビア国境近くのシワオアシスは、カイロから行くとたいてい2日かかる不便な所にあるが、エジプトの中でもっとも美しい所のひとつと言われている。私達がシワの町に着いた時は熱波がエジプト中を襲った時で、日中の温度は50度近くに上がり、地元の人々も熱波から身を守るため、町には人一人いないゴーストタウンとなった。エジプト最後の日々をのんびりと過ごすつもりでいたのに、部屋の扇風機をフルスピードにしてベッドの上にじっと座っていても汗が後から後からわき出て、非常に体力を消耗する日々となった。あまりの暑さに食欲もなくあまり食べられないが、発汗のはげしさで体から塩分が取られて、体力はますます落ちる。こんな時大変役立ったのが、トルコのパムッカレで出会った日本人女性からいただいたポカリスエットの粉末だった。どうもありがとう! シワオアシスのいったいどこが良いのだろうと疑問に思い始めた時、ジープに乗って近くの泉と温泉をめぐるツアーに出かけてその答えが分かった。シワオアシスの周りの砂漠の美しさに思わず言葉を失い、今までにたまっていた不満があっという間に解消されてしまった。この砂丘の先にはリビアがあり、この前までいたモロッコまで砂漠ははてしなく続いているんだなという考えが浮かんだ。モロッコのメルズーガ近くの砂丘はオレンジ色系の色をしていたが、ここの砂はクリーム色に近い。裸足で踏むとさらさらという柔らかい感触が心地よい。 砂漠の真中にとうとうと湧き出る泉に、暑さにだれた体を横たえると、体の芯までリフレッシュされる。泉に半身入り、日焼け止めに砂を上半身に塗り、やわらかい砂に座っていると、小さな魚たちが寄ってきて体の古い皮膚をつつきにやって来た。ちょっと不思議な感触だが、慣れてくるとスパトリートメントでも受けているような感覚だ。別のグループがやってくる間30分位はライアンとウェスと私の3人だけで泉を占領できた。砂漠の真中で緑に囲まれる泉にひたり、風の音を聞きながら、「ああ、これを経験するためにこんなに遠くまでやって来たのだ」と気が付いた。次に訪れた温泉は今まで訪れた数々の温泉の中で一番日本の温泉に近い匂いがした。 エジプト最後の夜はカイロからバスで3時間半位の地中海沿岸の町アレキサンドリアで過ごすことにして、アレキサンドリアからカイロ空港に直接バスで向かうことになった。アレキサンドリアの町を歩いていると、1分おき位に「ようこそ」「どっから来たの」「名前は」と声をかけられて、「もうほっといてくれ」と思うようになった時、ああ中東を離れるべき日がやって来たとつくづくと思った。 |
シワ・オアシス | |
シワの町には泥の壁で出来た簡単な建物が並ぶ。10年程前まで電気も舗装された道も通ってなかった。 | |
砂漠の真中に湧き出る泉。 | |
砂漠の真中に湧き出る泉は近くから見るとまるでビーチのよう。この泉で水浴をして体を冷やした。 | |
私ともうひとりの観光客が、数億年前に干上がった湖のあとにのこされた化石を見ているところ。後日ギリシャで知ったのだが、ここから南のオアシスで、世界で2番目に大きい恐竜の化石が発見されたとか。 | |
ろばにひかれるカートにのり、シワ・オアシスの端っこのファトゥマ島でみた夕焼けはとても幻想的だった。 |
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