中国 甘粛省夏河 2002.07.15 - 07.23

チベット仏教巡礼の町

甘粛省夏河は省都蘭州の260キロ南にある。チベット仏教の拉卜楞寺があり、チベット族の巡礼者が集まる町でもある。周辺には、美しい草原があり、町自体は小さいが、長くいればいるほど、去りがたくなる不思議な魅力がある。

夏河は標高2905メートルにあり、真夏でも朝晩はかなり冷え込む。天気の悪い日は日中でも、かなり厚着をしないと寒かった。今までうだるような暑さの中で何週間も過ごしていたので、かなり良い気分転換になった。

私達が拉卜楞寺を訪れた時は、ほとんどの僧侶が夏休み中で、一週間どこかの草原でパーティー(?)をしていると言われた。いったい僧侶は草原でどういうパーティーをするのだろか。

ガンジャ草原

夏河の近くには二つの草原がある。ひとつは、20キロ離れたサンケ草原だが、ここを訪れた旅人によると、中国人団体観光客で溢れ、草原の真中にはピンクのホテルがあってがっかりしたという感想を聞いたので、私達は夏河から35キロ離れたガンジャ草原へ訪れる事にした。

夏河の宿で、北京で同室だったロバートとラッセに再会した。彼らと同行しているクリスティーナと、ベルギーからのカップルスティーンとフィリップと合計7人で一緒にガンジャ草原へ向かう事にした。

ホテルからのガンジャ草原ツアーでは、一人あたり60元かかるが、ミニバンを自分達で借りると、一台200元しかかからない事が分かり、7人集まった私達には、かなりお徳な結果となった。

ミニバンのドライバーは町を出る前に予備のタイヤをひとつ積み、これで準備万端に思えた。しかし、27キロ行った所で2つめのタイヤがパンクして、近くのチベット族の村で、タイヤが届くまで待つ事になってしまった。思いがけない大休憩だったが、結果的にはこのハプニングのおかげで私達はそれぞれ特別な思い出を作る事が出来た。村の食堂で昼ご飯を食べた後、数人は地元の若者とバスケットボールをし、数人は町の中を歩き、私は草原を散歩した。草原があまりにもきれいで、一人で楽しんではもったいない気がして、村へ戻るとバスケットボールの試合でへとへとにくたびれていたウェスと、村の散策を終えたクリスティーナとロバートが草原の散歩に加わる事になった。すばらしい景色を楽しみながら歩いていると、バイクに乗ったチベット人男性二人が私達の姿を見て近寄ってきた。彼らの身に付けている宝石を見せてもらったり、一緒に写真を撮ったり、男性達はお腹の大きさを比べあったりした後、そろそろ村へ戻ろうと立ち上がった。すると、遠くから見覚えのある車がやって来た。私達のミニバンだった。ラッセが車から身を出して手を振っている。タイヤが届いた後、一番景色がきれいな方向に迎えに行けば多分見つかるだろと検討をつけてやってきたのだそうだ。

車に乗った後も、何度も寄り道をして、チベット人のグループとサッカーをしたり、学校の先生とおしゃべりをしたりして、洞窟に着いたときには日暮れ時近かった。洞窟に入るには、入場料がかかることが分かり、私達とラッセは洞窟はやめて近くの景色の良い崖の上に登る事にした。崖の上から見た景色はすばらしく、しばらく時間を忘れて景色を楽しみながらおしゃべりをした。残りの4人が洞窟から出てきた時には、もう7時過ぎていた。

時間が遅いのでチベット僧院は行かないことにして、夏河に戻る事にした。草原や岩山の景色の美しさも今日の旅のハイライトだが、途中出会ったチベット人の人々と触れ合えた事が、今日の旅を特別なものにしたと言える。

拉卜楞寺と周りを取り囲むチベット式住居。僧侶がこの住居に住んでいるようである。
拉卜楞寺の建物をを近くから見た所。
拉卜楞寺を3キロに渡り取り囲む巡礼路を歩く、チベット人の巡礼者。
ガンジャ草原へ向かう途中、代えのタイヤが運ばれるのを待ったチベット族の村を通り過ぎるやぎ達。
(左から)ウェス、スティーン、ロバート、フィリップ、マサミ、ラッセ、クリスティーナ。ガンジャ草原にて。
洞窟に入った4人を待つ間、残りの3人は近くの崖に登り、このすばらしい景色を楽しんだ。

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