旅の終わりを考える
上海では、東京で知り合ったアメリカ人の友人のマークと、中国人の奥さんサニーのお家にお世話になった。8年ぶりの再会だったが、マークはまったく変わっておらず、変わったのは東京の質素な6畳一間暮らしから、3LDKのマンション暮らしに上昇し、奥さんと2歳になる女の子を持ち、通いのメイドも雇える豊かな生活をしている事だ。
彼らの家にお世話になり、観光はそっちのけでホームページの更新に励んだ。また、私はシンガポールで知り合ったしのさんに再会し、ランチをごちそうになった上に、車で上海を案内してもらった。
安定した生活を送るマークとサニーや、シンガポールから上海へ引越した体験談を話してくれた、しのさんに感化されたのか、数週間くすぶり続けた「定住したい」という欲求に火が注がれたようだ。仕事をもって落ち着いた家庭を築きたいという欲求の方が、旅を続けてまだ見ていない世界を見たいという欲求より強くなり始めたのだ。
航空会社のマイレージを使って、既にパリ発シンガポール経由パース行きのただ券を発行してしまっている。また、10月の終わりにフランスのシャストイのB&Bでお手伝いをする約束もしている。とりあえず、中国からヨーロッパ方面へ向かい、シャストイでお手伝いをするまでは旅を続けるが、その後南アメリカまで続ける可能性はかなり薄い。後は旅行の後、世界のどこに落ち着くのかをゆっくり考えて行かなくてはいけない。
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