カンボジア | シエムリアップ(アンコールワット) | 2002.3.20 - 3.24 |
地雷
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タイとカンボジア国境からバスで15分位行ったところで、道路工事の為しばらくバスが停まっていた。そ
の時遠くから「トーン」という爆発音が聞こえ、道路脇にいた村人が音のした方を指差しながら、足早に集まってい
った。「地雷だ。」バスに乗っていたシエムリアップのゲストハウスの従業員がつぶやいた。バスが動き出すと、畑
の中にショックの為かまったく動けなくなった牛がいて、その周りに人垣が出来ていた。牛が地雷を踏んだようであ
る。道路からは少し離れていたので、確実には分からないが多分あの牛は足を失ったのであろう。
それまでのどかで平和な田園風景に見えていた景色が一変に様子を変えてしまった。どこに危険が潜んでい
るのか分からないのだ。アンコールワット観光の拠点となる町シエムリアップには地雷博物館がある。個人経営なの
で小さいが、館主のアキラさんがボランティアで信管を取り除き爆発しないようにした地雷や不発弾の一部が展示さ
れており、その種類と数の多さに驚かされた。この博物館にある資料によるとカンボジアに数多く残された地雷の中
でも、タイ国境近くの地域が一番地雷の数が多く、約300万の地雷がまだ埋っていると言われている。村人は危険
と隣り合わせで毎日畑仕事をしているのである。
アンコールワット
長年一生に一度は見たいと思っていたアンコールワット。期待が高すぎると逆にがっかりしてしまう事があ
るが、アンコールワットは敷地内に入った所で「これはすごい」と思わせてしまう不思議な威力があった。行くまで
、アンコールワットという寺院がひとつだけ建っているのだろうと誤解していたが、アンコールワットは200平方
キロメートルもある広大な敷地の中にあるアンコール遺跡群のひとつでしかない。クメール建築の最高傑作とされ、
三重の回廊には見事な浮き彫りが施されている。中央にたどり着くには急な石の階段を何回か上らなくてはならず、
高所恐怖症には少々怖い。その他の主だった所では、100以上の微笑をたたえた巨大な観音菩薩の顔が塔の上から
見下ろすバイヨン寺院、発見された当時の姿のまま残されており、巨大なガジュマルの木が寺院を押し潰すように生
い茂っているラプローム、洗練された浮き彫りが美しい紅色砂岩で造られたバンテアイ・スレイなどがある。
アンコールワットの入場料は一日券20ドル、3日券40ドル、7日券が70ドルだ。午後4時以降に券を
買うとその日の夕方がただで入れて、券の開始日は翌日からスタートする。私達はまず丘の上からアンコールワット
を見下ろせる場所で夕日を見て、翌日日の出から日が暮れるまで丸一日観光してとりあえず見たいと思っていた所は
すべて見れた。しかし、メインの所以外も訪れたり、のんびりとしたペースで観光するなら、数日間は必要であろう
。タージマハールへ行った時には、15ドルの入場料の価値はないと思ったが、アンコールワットの20ドルは充分
納得できる出費であった。
早起きをしてアンコールワットから見た朝日。
アンコール・トムを囲む1辺12キロの城壁には、5つの城門がある。
中でも保存状態の良いのが、この南城門である。
南城門の前に並ぶ石像。
アンコール・トムの中心にあるバイヨン寺院の塔の上部4面には
微笑をたたえた巨大な観音菩薩の彫像がある。寺院全体で194面あった人面の中で現存するのは117面。
バイヨン寺院内の東回廊で見かけた仏像。
バイヨン寺院の2階の人面の隣に立つ私達。
タ・プロームではガジュラムの木が寺院を押し潰すような
勢いで生い茂っている。ここでは、発見された当時の状態をそのまま保存されているのだ。
タ・プロームの中を歩く私。
紅色砂岩で造られた、薄紅色の寺院バンテアイ・スレイでは、繊細な浮き彫りがすばらしい。
バンテアイ・スレイの像の彫刻。
バンテアイ・スレイでいくつも見かける女神デバターの浮き彫り。