ブルガリア リラ 2002.09.17 - 09.19

リラの僧院とリラ山脈トレッキング

ブルガリア最大の僧院であるリラの僧院は、首都ソフィアから119キロ南にあり、リラ山脈のふもとの森の中にある。約500年間続いた、オスマン・トルコ帝国の支配下に入ったときは、キリスト教の信仰やブルガリア語の書物を読むことが禁止されていたが、この僧院だけはそれが黙認されたそうだ。オスマン・トルコ帝国時代にリラの僧院は、ブルガリア正教やブルガリアの文化を守るという重要な役目を果たした。現在はユネスコの世界遺産のひとつである。

リラ僧院があるリラ山脈は、ブルガリアで一番良いトレッキングが出来る山とガイドブックで読んだので、2日間かけて山小屋に1泊し、山を越えてリラ僧院へ下りるトレッキングをしてみた。

ソフィアからバスで約1時間半南にある、ドゥプニッツァまで行き、そこからバスを乗り換えてサパレバ・バリア村へ行った。そこからは登山口まで運がよければミニバスが出ているが、時間が合わなければミニバスをタクシーとして使う(10レバ:約US$5)ことが出来る。登山口から「7つの湖」地域にある最初の山小屋まで歩いてだいたい2時間半だが、半分位は未舗装の道を歩いた。途中車の通れない道になってから、野生の木苺が群生している所へ来た。この日は景色が特別すばらしい所がなかったので、この野生の木苺摘みが一番のハイライトとなった。この日泊まった山小屋は、二人部屋にはホットシャワーも付いている所だった。食べ物は残念ながらイタリアの山小屋のようにはいかなかったが、暖かい夕飯が食べられるだけでもありがたかった。9月の半ばなのに、とにかく寒くて寝袋の中でようやく体が温まった。

2日目はまず「7つの湖」まで登り、そこからリラの僧院まで約1400メートルの長い下りが待っている。湖が見えるくらいの所から、景色が良くなってきた。美しい7つ湖と周りの山々の対象は美しかった。ブルガリアにこういう景色があるとは驚きである。しかし、下り始めると息を呑むような景色はまったくなくなってしまい、とにかく足がつらいばかりであった。この日は3時間登り、4時間下った所で、リラの僧院が突然木々の間に見えた。この日は唯一ホット・シャワーがあると聞いていたツァレフ・ヴラー・ホテルに泊まった。リラの僧院からはドゥプニッツァ行きのバスが、午前9時、午後1時半、午後5時に出ている。ドゥプニッツァからソフィア行きのバスが30分に一本から1時間に一本出ているので、その日の内にソフィアへ戻る事も可能である。

トレッキングの情報収集

ソフィアにあるOdysseia-Inという旅行会社(住所:Stamboliyski 20、しかし入り口はLavele通り沿いにある)では、ブルガリア各地のトレッキング地図を売っているだけでなく、いろいろなアドバイスをしてくれる。また壁には英語で数種類のトレッキングや交通手段が詳しく書かれている。リラ山脈のトレッキング地図はキリル文字で「リラ」と書かれた縮尺1:55000の地図がある。

交通手段

行き:ソフィアのオブチャ・クペル・バスターミナルからドゥプニッツァまでは、朝と夕方に30分に1本、それ以外は1時間に1本の間隔で出ている。ソフィアの市内からオブチャ・クペル・バスターミナルまではトラム5番で行ける。ドゥプニッツァからサパレバ・バリア村へは、1時間に1本くらいバスが出ている。終点ではないので、バスの運転手に降りたい所をあらかじめ言っておいた方が良い。

帰り:リラの僧院からドゥプニッツァへのバスは、午前9時、午後1時半、午後5時に出ている。ドゥプニッツァからソフィアへは朝と夕方に30分に1本、それ以外は1時間に1本の間隔で出ている。
このハート型の湖は、リラ山脈の標高2350メートルにあり、近くに7つある湖の中でも一番きれいな湖である。ここから250メートル登ると、あとはリラの僧院まで長い1500メートルの下りが待っている。
リラの僧院の中心にあるのが、聖母誕生教会だ。1833年の火災の後に再建された。フレスコ画の色彩は鮮やかで、教会内部の壁画は黄金色に輝いていた。後ろに見えるのは私達が2日間歩いてきた、リラ山脈の一部。
リラの僧院内の聖母誕生教会へ向かう僧侶。まるで中世にタイムスリップしたような錯覚を覚えた。

戻る2002年旅行記目次ヨーロッパの地図ホーム

  Copyright © 2000-2002   Wes and Masami Heiser.   All rights reserved.